虫のはなし
春になり、虫が出てくる季節となりました。春と秋は虫刺されで受診する方が多くなります。今回は、その代表例を2つ取り上げてみます。
チャドクガ皮膚炎
見た目が特徴的ですので、虫の名前がそのままついちゃった皮膚炎です。
チャドクガは茶の害虫として有名ですが、お茶の葉以外にも、厚みのある葉っぱ、例えばツバキやサザンカなどにもつきます。悪さをするのは幼虫で、幼虫にある長さ0.1㎜の毒針毛が皮膚に刺さることで引き起こされます。毒針毛は容易に脱落するので、虫体を見ていなくても知らない間に刺さっているということがよくあります。
ツバキやサザンカはよく垣根にも使用されておりますので、通勤途中やジョギングの最中、また、風に乗って洗濯物に付着したりもするので、それを着て症状が出ることもあります。
症状は、ある一定の部分にとても痒い3㎜大ほどの赤いぽつぽつが数ヵ所みられます。
治療はステロイド外用剤と抗ヒスタミン剤です。
予防は、とにかく、春、秋にはツバキ、サザンカには近づかないこと。毛虫を見つけて安易に殺虫剤を噴霧すると、勢いで逆に毛が飛ばされて刺さってしまうことにもなりかねません。また、死がいも毛が残っていることもありますので、枯れ葉などの手入れの際にも注意が必要です。
ブヨ・ブユ
最近多くなってきたなという印象です。ほとんどの人が、虫を見ていません。知らない間に刺されたと言われます。刺された直後よりも、2~3日後にだんだん腫れあがってくる感じです。腫れは刺された場所から10㎝ほど広がっている場合もあります。
治療はチャドクガと一緒ですが、ひどい人はステロイド内服もしてもらうことがあります。
人によっては、痒疹というものに移行して、長年患うことにもなりますので、早めの治療をお勧めします。